資本主義の終わり論

　長々とした書き込みご苦労さんです。しかし　書き込む前に、も少し私が書いていることを理解して欲しいと思います。部落は天皇制の身分であって　直接は書いていませんが、天皇制の解体抜きに解消されることはないと考えています。「貴あれば賎あり」とは言われましたが　「貴」と「賎」が一つの身分制度としてあるとは　これまで言われたことはないと思います。それを　天皇制の身分制度はアジア的生産様式での支配・統治形態にその基礎を持っていると明かにしたのです。だが　２回のあなたのコメントには　天皇あるいは天皇制という言葉は一度として出てきていません。私から見れば　それは天皇制への屈服以外の何ものでもないということです。
　終わりの方で「部落問題を身分制と位置づけ、上部構造の問題だとするなら、２つの大きな問題が生じます。」として
　「一つは、資本主義のもとで部落問題解決が可能であるという主張になってしまいます。」と述べられていますが　いまの日本資本主義・帝国主義が資本主義のままで天皇制をなくせるとでも考えておられるのですか。アメリカでさえ　戦後、天皇制をなくしたら革命が起こると思ったから天皇制を残したのです。天皇制を不問にして、戦後民主主義に依拠して問題を考えていたら　日本革命など永遠に出来ないでしょう（これまでの左翼の根本的誤りです）。
　「もう一つは、……清水議長の主張と重なる点です。」と言われていますが　清水が天皇制について何かを言ったという記憶はありません。本多さんは　明治政府を「天皇制絶対主義から天皇制ボナパルティズムへ」と規定していますが（私は正しいと思います）。もともと清水は　日本帝国主義が部落を創り出した論です。あなたは　根本での論理の違いが　本当に理解できない人なのですね。私から言わせれば　日本帝国主義が部落を創り出したでは　あなたと清水は同じではありませんか。
　「観念論以下」と言ったことに腹を立てられたようですが　あなたは　部落という言葉が出来たときに部落問題が起こったと述べられています。いまの科学で　現代人の祖先は１５万年前に生まれたことが明らかになっています。しかし　ヒトや人間という言葉・概念はおそらく５０００年程前に成立しています（我々に相当する語はもっと古いと思いますが）。１５万年前から５万年前までの人類（５万年前の人類はクロマニヨン人で　日本人の言葉にはその残滓があるといわれているので）は　ホモサピエンスであって、ヒトや人類ではなかったのですね。
　あなたは　「非人等に関しては…現在ではほぼ消滅しています。他方、かわた系の地区は、…部落差別を受けています。」と述べた後「あなたの身分制説で説明できますか？」と問うておられますが　読んで分かりませんでしたか。私は　かわた・穢多・特殊部落は天皇制の身分で（呼称は変わったが）、非人は幕府の「身分」です　と述べています。当然　幕府を否定した天皇制明治政府が　幕府の「身分」を継続するわけがなく　天皇制の身分制だけを先進諸国の理解を得られる形に変えて維持したのです。
　基本的考え方が問題と思うので　あなたが述べられている個々の問題については触れません。日本資本主義が天皇制をその支配の要にすえた以上　封建制をこえて天皇制の身分制・身分差別は強烈化すると思います。個々の問題の正否は　あなた自身が基本的考え方で整理できたとき、自分でつけられると思います。
　私は　『資本論』Ⅱ巻・Ⅲ巻の理解、『序説』の唯物史観の定式（公式）・アジア的生産様式、日本古代史（天皇制批判）で　これまでとは全く異なる（新）説を唱えています。この（新）説でもって　マルクス主義を再生したいと考えています。その辺りまで理解してもらえたら有難いです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　松 崎　五 郎